センチ旅行記 高松・京都編


〜出発〜
 2004年10月31日〜11月5日、四国高松まで札幌から往復鉄路という偉業(暴挙)に挑戦する。帰路に岡山や京都に立ち寄るが‥。まずJR北海道でのみ発売されている往復東京フリー切符を購入する。値段は29,500円。これは、6日間という期間中、寝台特急北斗星開放B寝台か在来線特急→東北新幹線はやてに乗り換えて東京まで行け、期間中は東京都内のJRに乗り放題、帰りも北斗星か、新幹線→在来線特急で札幌までという使いようによってはかなり得な切符である。つまり札幌から東京まで往復3万円で行ってこれるというわけだ。これに併用すれば、東京以外の地域にも安く行けるのではと思い購入を決意する。時間をフルに使うため、往復在来線→新幹線という方法にし、東京から高松までは寝台列車、帰りは高松から岡山まで快速で行き、岡山を観光、翌日岡山から京都まで新幹線で行き、京都を3度目の巡礼、京都から東京まで寝台急行銀河で移動し、東京から新幹線はやて→在来線特急を乗り継ぎ札幌へ帰宅。結論から言わせてもらうと、かなりハードでした。まあセンチ1の主人公ならなんてことはない旅程でしょうが、生身の人間にはつらい(笑)。

〜札幌→東京へ〜
 2004年10月31日、いよいよ札幌を出発する。午前9時19分発函館行き北斗8号に乗り込む。ここで約3時間半かけて函館まで行き、函館12時51分発八戸行きの特急白鳥(以前の白鳥とは別物)に乗り換える。車齢が古いのか、結構揺れる。途中青森で方向転換。久々の昼の青森、ベイブリッジもよく見える。八戸には午後15時51分に到着し、新幹線ホームのはやてに乗り換える。東北新幹線は乗るのが初めてなので少々楽しみでもある。途中えみるの地元仙台を通り過ぎるが、まあここにもいつか行く日が来るだろう。八戸から盛岡まではガラ空きだったが盛岡からどっと客が乗り込み、さらに仙台で大勢乗り込んだため大宮辺りまでほぼ満員に近い状態だった。午後7時過ぎに東京に到着。東京に来るのは数年ぶりだが、次に高松まで乗るサンライズエクスプレスの発車にはまだ3時間近くある。晩飯を食べ、駅周辺や駅構内をぶらぶらして時間をつぶす。

〜高松巡礼〜
 午後9時50分頃サンライズエクスプレスが入線してきた。最新型の寝台電車で、急行きたぐにで使われている583系よりもかなり高性能である。

今回乗ったサンライズエクスプレス


「高松」の行先表示

 いよいよ出発だ。私は1号車シングル下段の個室だった。かなりスピードを出してもあまり揺れず、乗り心地はトワイライトよりも良いかもしれない。品川、横浜、大船と次々と通り過ぎてゆく。そういえば大船の近くはセンプレの聖地鎌倉であることを思い出した。いずれ明日香の横浜と共に行ってみたいと思ううちに、だいぶ人家も少なくなってきて星空も見えるようになってきた。また個室の照明を消し、星空を眺めながらセンチソングを聴く。人家の少ないところでは意外なほど星がよく見えるということは昔から知ってはいたが、なにやら田舎を重点的に旅する優の気持ちが分かる気がする。
 翌11月1日、夜が明けはじめる頃、岡山の手前で目が覚める。名古屋や京都をいつ通過したのかまるで覚えていない。岡山を発車し、しばらくすると瀬戸大橋を渡り始める。初めて向かう四国の地、瀬戸内海の島々がよく見える中、列車は軽快に走り続ける。瀬戸内海を渡りきると、瀬戸大橋記念公園が見えてきた。後ほど訪れる予定だが、とりあえず最初に行くのは栗林公園だ。真奈美の地元・高松に到着し、北海道から四国まで鉄道のみでやって来たという鉄道マニアとしての感慨に浸りつつ、駅のホームにあるうどん屋で朝食をとる。四国のうどんは味が薄いと言われているが、まったりとして良い味といえる。その後普通列車に乗り換え栗林公園北口駅で下車、歩くこと2〜3分で栗林公園に到着し、早速入場券を買う。時間は午前9時前の平日、20代半ばの男が一人で入園、少々怪しく思われるかもしれないと思いつつ公園内を散策する。国の名勝に指定されているだけあって、風情ある日本庭園だ。

栗林公園内の一角、実に落ち着いた雰囲気

 このような雰囲気なら喧騒を嫌う真奈美にはうってつけなのだろう。栗林公園内を一通り見終えると、琴電に乗り一旦高松駅まで戻る。そこからJRに乗り、次の目的地である瀬戸大橋記念公園を目指すため坂出駅に行く。坂出に着いたものの、記念公園まではバスしかなく、そのバスの本数も少ない。やむを得ずタクシーを使うことにした。早速運転手さんが話しかけてきたが、北海道から来た事を告げると遠くから来たことに驚いていたようだ。往復鉄道ということを言おうかとも思ったが、まあ止めておこう。記念公園に到着すると、まず驚かされるのは間近にそびえ立つ瀬戸大橋の巨大さだった。柱の一本にしてからが高層ビルに匹敵するのではないだろうか。

瀬戸大橋タワーより


瀬戸大橋記念公園噴水前
奥に見えるのが瀬戸大橋タワー

 とりあえず瀬戸大橋タワーに登ってみる。このタワーの展望室は普段は地上に降りた状態だが、客が乗り込むと回転しながら上昇していく。このときは平日ということもあってか私一人だけだったが、もちろん一人でもちゃんと稼動させてくれる。上昇中案内の放送が流れるが、地上100m以上の高さからの景色はすばらしく、瀬戸内海を一望できる。記念公園には博物館もあるが、この日はちょうど休館日だったので残念ながら入ることは出来ない。一通り見終わると、バスの時間までしばらくあるのでベンチに腰掛ける。ほとんど人はなく、なにやら小鳥のさえずりも聞こえ、真奈美の聖地に相応しい感じである。
 バスに乗り坂出駅に戻り、再び高松へ向かう。高松駅を出ると、駅のすぐ近くにある玉藻公園へ行ってみる。ここもセンチ1の高松では有名な待ち合わせ場所のひとつでもあり、高松城跡でもある。

玉藻公園の外側

 玉藻公園を見物した後、女木島やオリーブ園、坪尻は時間的に難しく、屋島は少し前の台風の後遺症でケーブルが閉鎖されている状態なので今回は諦め、とりあえずライオン通りへ行ってみることにした。センチ1でおなじみの場所を確認し、周辺を歩いてみる。いわゆるアーケード街で様々な店が軒を連ねる。その後駅前に戻りサンポート高松や高松シンボルタワー等を見て周るうちに、やがて日が翳り宿へと向かう。
 翌2日、岡山へ向かうため高松駅へ行く。

高松駅前

 高松駅の駅舎は日本では珍しいデザインらしいが、開放感があって良い印象が残る。高松駅で列車を待っていると、列車接近のたびに「瀬戸の花嫁」のメロディが流れるが、このメロディがセンチ1の高松の曲に似ていることに気がつく。おそらく瀬戸の花嫁をアレンジしたのだろう。そう思いつつ高松を後にした。

〜岡山・倉敷〜
 高松から快速マリンライナーに乗り込み、一路岡山へ移動する。岡山はセンチとは無縁だが、個人的な史跡めぐりのため立ち寄る。岡山駅で降りると、とりあえず市電に乗り岡山城へ行ってみる。この城は宇喜多秀家によって建てられたらしいが、ちょうどこの時は宇喜多秀家没後350年記念と、看板が掲げられていた。天守閣に登ってみるが、ここも大阪城等と同じようにエレベーターが備えられている。最上階からの眺めは、岡山市街を見渡すことができ、金の鯱(しゃちほこ)も確認できる。

岡山城天守閣


天守閣最上階より

 岡山城を後にし、今度は倉敷に向かう。岡山駅から快速列車に乗り倉敷で下車、ここから150km先には優の地元・広島があるのかなどと思いながら改札を出る。倉敷の美観地区には伝統的な建築物が立ち並び、重要文化財もある。この一帯を気のおもむくままに散策し、また岡山へ戻る。
 翌3日、今度は京都に向けて出発する。宿を出て、岡山駅の新幹線ホームへ入る。ここから11時5分発東京行のぞみ10号に乗るが、700系新幹線に乗るのも初めてなのでカメラに収めておく。北海道に住んでいると、とにかく新幹線が珍しい。

0系新幹線のツーショット


700系ひかりレールスター

 千恵の地元・博多から来たのぞみに乗り、京都方面へ向けて発車する。正午過ぎ、1時間ちょっとで京都に到着する。

〜三度目の京都〜
 京都への巡礼は3度目となる。新幹線から降り、まず伏見稲荷神社へ行くために奈良線へ乗り換え、稲荷駅で下車する。伏見稲荷神社は千本鳥居で有名。アニメ版ジャーニーのオープニングで若菜が本を読みながら歩いている場所が、この伏見稲荷神社の千本鳥居でもある。駅から出るともう目の前に神社があるが、この日は休日でもあり大勢の人で賑わっている。神社の奥へと歩いていき、千本鳥居を見つける。

千本鳥居、二列に別れている


千本鳥居内部

 千本鳥居は二列に別れていて、それぞれトンネルのようにびっしりと連なっている様は壮観な眺めだ。とりあえず千本鳥居のトンネルを往復して、再び京都駅に戻る。そしてまた嵐山へ向けて電車を乗り換えるが、嵐山に着いてあまりの人の多さに愕然とする。そういえば今日は休日だったことを思い出すが、何とかなるだろうと思い気を取り直して渡月橋に向かう。が、すれ違う人々の大半がカップルばかりという状態。虚しさと苦々しさを感じつつ渡月橋にたどり着くもここも人ごみ、川に多数のボートが浮かんで、乗り場にはここもカップルばかり並んでいる。以前来た時は平日ということもあってか人もまばらだったが、どうやら休日はただのデートスポットと化すらしい。

嵐山渡月橋より、桂川上流を望む

 嵐山を後にした私は、少々早いが今日の宿、京都タワーホテルに行くことにした。その名が示すとおり京都タワーの真下にあるホテルで、建物自体は古いが手入れはよくいき届いていた。
 翌4日、この日は平日なので昨日よりはましだろうと思いながら出発する。この日はただの巡礼以外にも目的がいくつかあった。まず、年に合わせて10日間しか一般公開されない京都御所を見物する。ここもセンチとは直接関係ないが、私の歴史趣味の一環としての行動にすぎない。京都御苑の広い道を歩き、御所に到着する。入場は無料だが手荷物検査があり、あちこちに警備員が立っている。見物人もそれなりに多いがそのほとんどが年配の人ばかりで、さすがにカップルはほとんどいない。

京都御所、公家の蝋人形


京都御所、寝殿造り

 御所の敷地には日本庭園や寝殿造りの屋敷が立ち並び、公家装束の蝋人形が置かれている。そういった雰囲気が久遠の絆 平安編やAIRの神奈を思い出させる。それから市バスで下鴨神社へ行き、平安神宮を訪れる。巨大な朱塗りの鳥居をくぐると、色鮮やかな建物が目に移る。再び市バスに乗り、今度は四条河原へ向かう。鴨川を渡り行き着く先は、アニメイト京都店。そう、せっかくだから発売されたばかりのセンチメンタルプレリュードのサントラを若菜の地元で買っていこうと思い立ったわけである。しかしこの辺りは路地が狭く、アニメイト京都店にたどり着くまで少し時間がかかってしまった。何とかたどり着き、センプレのサントラを買う。道外で初めて訪れるアニメイトでもある。店のすぐそばにメロンブックスもあったので、ついでに寄ってみる。その後、ネットカフェで1〜2時間ほど時間をつぶし、日が暮れてから京都の夜景を見るために京都タワーへ登る。

京都タワーから、京都駅ビル


駅前より望む京都タワー

 昼間に見たときと違い、京都を一望できる夜景は満足のいくものだった。駅前より見上げる京都タワーもライトアップされて綺麗なものだ。さて、この後は午後10時58分発の東京行き急行銀河の時間まで少々時間がある。晩飯を食べた後、早めに改札を通りホームに行ってみる。すると、午後8時20分に京都を発つ寝台特急あかつきが停車していた。この列車の行先は長崎。京都を出て大阪を通り、広島、博多、長崎と、若菜、夏穂、優、千恵、そして晶の5人のセンチヒロインの地元に関わるわけだ。いつか九州へ行くときに乗ってみたいと思いつつ発車を見送る。
 発車1分前に京都に入線する急行銀河。今回は奮発してA寝台の切符を買ってある。京都からA寝台に乗る人は私一人だけだったが、A寝台は全体の3分の1程度の乗車率だ。A寝台とはいっても個室ではなく開放式だが、それでもベットの幅はだいぶ広いので荷物を置くスペースはとれる。とはいうもののやはり料金は割高感は否めない。もう少し値下げを考えてほしいものだ。例によって外を眺めながらセンチソングを聴いているといつのまにか名古屋で停車する。時刻は午前1時前。当然人の気配はなく、ホームは静まり返っている。行きでは眠っていたために記憶にないため、これが初めて生で認識する名古屋ということになる。るりかのことなど考えている内に、いつのまにか眠りに着く。

京都駅停車中の長崎行寝台特急あかつき


深夜の名古屋駅


〜帰路〜
 翌5日、小田原を過ぎた辺りで目が覚める。時刻は午前5時40分。外はまだ暗かったが、しばらくするうちに夜が明けてきた。大船あたりからホームに多くの人の姿が見えてくる。今のうちに昨夜買っておいた朝食用のパンを食べる。何度も通勤電車を追い越しながら、終点東京に着いたのは午前6時42分。八戸行きの新幹線の時間まで約1時間ある。適当に時間をつぶして新幹線ホームへ行くものの、多くの人が列をなしていた。はやては全席指定なので、別に無理に並ばなくとも乗れるが、まあこの場は並んでおこう。前と同様、東京〜仙台間は平日でありながらかなりの乗車率、。いつもこの区間はこんなに混雑しているのだろうか。そして案の定盛岡を過ぎればガラ空きである。八戸では函館行き特急白鳥に乗り換え、途中青森で数分停車。ホームに降りて、売店で東奥日報なる新聞を買ってみる。先の高松では四國新聞、京都では京都新聞と、その地方の新聞を買って読むのも旅の醍醐味というものだろう。進行方向が変わり、北海道に向けて発車する。青森〜函館間はガラ空きだったが、やはり古い車両のためか振動がはげしい。函館からは午後2時26分発札幌行き特急スーパー北斗に乗る。行きの北斗よりも乗り心地は上々、午後5時49分、札幌へ到着し帰宅する。

追伸:やはり札幌〜高松へ往復鉄路はきついです(苦笑)。しかし、初めて四国の地を踏み、真奈美の地元を体験し、
素通りとはいえ仙台(えみる)と名古屋(るりか)と横浜(明日香)の風景(名古屋は深夜ですが)を
見ることができた点は、満足しています。

戻る

TOPページ

inserted by FC2 system